技能実習生によくあるトラブルとは?防ぐための対策やリスクを解説

技能実習生によくあるトラブル事例

失踪

 

技能実習生が失踪するトラブルは多く、起こる原因はさまざまです。

失踪が特に多いのは建築や農業の分野ですが、ほかの分野でも起きています。

日本人であれば大変さを事前に判断できるような仕事でも、外国人の技能実習生には理解しにくいことも多いでしょう。

失踪が相次いで起きた受け入れ企業で、仕事や環境の大変さを動画で事前に説明する方法を取り入れたところ、失踪のトラブルがなくなったという事例があります。

途中帰国

3年の技能実習期間の途中で、契約を終了して帰国してしまう技能実習生もいます。

帰国の理由はさまざまですが、仕事がキツイ、環境が合わないなど失踪の原因と重なるものが多いです。

技能実習生から途中帰国の申し出があれば、強制的に実習を続けさせることができません。

話し合いは大切ですが、ズルズルと説得が長引けば失踪などほかのトラブルにつながる可能性があります。話し合っても納得できないようであれば、契約を終了しましょう。

ほとんどの途中帰国の場合、話し合いのうえで契約の打ち切りとなります。しかし、長期休暇で一時帰国し、そのまま戻ってこないケースもあるので注意が必要です。

病気

技能実習生も、病気になることがあります。仕事が続けれらない状況であれば、途中帰国もやむを得ないでしょう。

病気で起こるトラブルは、帰国や長期の休養など深刻な症状のケースとは限りません。

それほど心配な状況ではない場合、病院に行けば安心と思うでしょう。しかし、技能実習生にとって、ひとりで病院に行くことは決して簡単なことではないのです。

言葉の不安だけでなく、病院のシステムがわからないので、どの科を受診すればよいのか迷ってしまいます。

病院に行く際には、付き添うなどの配慮が必要です。

ケンカ

技能実習生のトラブルといえば、ケンカがあげられます。共同生活をしていれば、些細なケンカは起こり得るでしょう。

特に問題なのが、1室に複数の技能実習生を住まわせている寮でのケンカです。

トラブルに発展すると、ケンカの当事者となった全員が帰国してしまう事態も考えられます。

また、技能実習生同士ではなく、近隣住民とのケンカも注意が必要です。

ゴミの出し方がわからず、間違った出し方をしてしまうなど、生活や文化の違いが原因になることがあります。

日本の生活に慣れるまでは、しっかりとサポートしましょう。

金銭トラブル

家賃の支払いで、技能実習生の家賃を取りまとめるリーダーが、着服を疑われて帰国した事例があります。

徴収する必要があるものは、個別に支払うか給与から天引きするようにしましょう。

技能実習生同士で、金銭の貸し借りによるトラブルも多く起きています。

少ない金額であっても、貸し借りをしないようルールを徹底することが大切です。

パワハラやセクハラ

パワハラやセクハラなど、ハラスメントもよくあるトラブルのひとつです。

企業でのハラスメント問題は、ニュースなどで扱われることも多く、コンプライアンスが強化されるようになってきました。

外国人技能実習生にパワハラやセクハラをすると、日本人従業員と同じように人権侵害にあたります。

企業に対して損害賠償請求が認められた事例もあり、注意が必要です。

技能実習生にトラブルが起きる原因

日本語が上手ではない

日本語をきちんと理解できないと、さまざまなトラブルの原因になることが考えられます。

言葉がわからなければ、十分なコミュニケーションがとれず、誤解が生じることがあるでしょう。

日本語が理解できないためにストレスが溜まり、実習を継続できずに途中帰国や、思い詰めて失踪する事例は多いです。

言葉が伝わらないストレスは技能実習生だけでなく、教える立場の日本人にも影響があります。

相談する相手がいない

何か困ったことが起きたときに相談する相手がいないと、どんどん気持ちが追い詰められていきます。

相談できない環境というと、人間関係が悪い劣悪な環境をイメージするかもしれません。しかし、実際には良い環境でも安心とは限らないです。

実際の事例では、社長をはじめ日本人の従業員が皆、技能実習生に優しく接していた企業で失踪が起きてしまいました。

技能実習生は仕事がキツイことに悩んでいたのですが、優しく親切にしてもらっていたので、申し訳なくて相談できなかったそうです。

受け入れ側の理解不足

技能実習生の受け入れは、制度について正しい理解がなければトラブルにつながります。

受け入れ側が、外国人を働かせてあげているという感覚だと、トラブルが起きやすいです。

技能実習生は日本に技術を学びに来ています。人手不足を調整するための人材ではありません。

就業可能なのは技術を学ぶ仕事だけなので、掃除などの単純作業をしてはいけないのです。

日本人従業員と業務内容が異なるケースは、珍しくないでしょう。

できる業務、してはいけない業務をきちんと現場で周知しておかないと、トラブルの原因になりかねません。

技能実習生のトラブルを防ぐ方法

コミュニケーションをしっかりととる

トラブルを防ぐには、コミュニケーションが大切です。

日常的にしっかりとコミュニケーションがとれていると、良い関係を築けます。

関係性が良ければ、技能実習は何か困ったことが起きた場合に相談しやすいでしょう。

普段から密に接することで、悩んでいたり困っていたりする場合に、気づいてあげられるかもしれません。

わかりやすく説明する

日本語を得意としない外国人技能実習生には、ゆっくりと簡単な言葉で話すなど、わかりやすい説明が必要です。

仕事以外ではわかりやすい説明を心がけていても、仕事中だとつい早口になることもあるでしょう。

言葉が伝わらないために業務に支障がでると、イライラしたり怒ったりすることが起こり得ます。

わかりやすく説明すればさまざまなトラブルの防止につながるので、技能実習生と関るなかで心がけてみてください。

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