ミャンマー人の特徴
ミャンマー人は信心深い、と表現されることがよくあります。
ミャンマーにはヤンゴンという都市部であっても多くの寺院が街中に存在し、市民は平日の日中から続々と訪れ、僧侶に朝ごはんやお花を捧げます。
お給料の半分以上を寄付する、臨時収入があった時や昇級した時は全て寄付するというお話も珍しくはなく、その信心深さからなのか、穏やかでゆったりと暮らしている印象が強い国民性です。
ミャンマー人の働き方
仕事で言えばホテルの入り口にドアマンが二人立っていたり、2人で運べる荷物を4人で運んだり、日本人であれば生産性がないのではと感じてしまうような人員配置をしていることが多く見受けられます。
生産性ではなく人と人との繋がりを大事にしているようです。
ゆったりというのは時間管理の面でも見受けられ、日本で言うと沖縄タイムというような時間にルーズな面もあります。全ての人とは言いませんが、時間に厳しい日本人と仕事をすると5分、10分の度重なる遅刻に困るということもあるかもしれません。
ミャンマーは金の国と言われており、日本とは違い資源が豊富です。その資源の豊富さも、ハングリー精神をあまり持たずゆったりとしている理由でしょう。
ミャンマー人の中でも、そのゆったりさが苦手で、生産性を上げたいと願う上昇志向の強いミャンマー人は海外に出てしまう、という話もよく耳にします。
しかしそういうミャンマー人でも、人付き合いが好きという特徴は持ち合わせていて、出稼ぎや海外移住先でもミャンマー人のコミュニティがあり、仕事を紹介し合うなど家族のように仲良くしている様子です。
人付き合いが好きな国民性
人との繋がりを大事にするのは、仕事だけではなく普段の暮らしでも見受けられます。
非常に薄い関係性と感じるような遠い親戚でも、会えばご飯を食べた?という挨拶で、家に招き入れてご飯を振る舞うということが多くあります。
非常におしゃべり好きな方が多く、自分のことや家族のこと、政治についてなどを食事しながらよく話しています。
人との関わりを大切にする。この特徴も、現世で徳を積むことで来世の幸せを願うという上座部仏教の考えによるものなのでしょう。
敬虔な仏教徒であり、しっかりと仏教の教えを守るかたわら、楽観的な性格の方も多く居ます。
なんとかなる、という楽観性は暖かい地域特有のものかもしれません。
上下関係がしっかりしている
そのように人付き合いや人との繋がりを大切にするものの、親と子、店員とお客さん、上司と部下、雇用主と労働者といった線引きが強く、上下関係がしっかりしています。
年功序列もしっかりと認識しており、両親や老人を敬います。アメリカや日本のようなフレンドリーな親子関係は少なく、両親にも敬語を使うと言います。
両親は子供に対し、甘やかしや褒めて伸ばすといった教育よりも、厳しく道徳を教え育てるのが良いことであると考えています。
それだけにミャンマー人に対しては、上下関係を重んじた付き合いをすると喜ばれます。
ミャンマー人男性の特徴
仏教徒のミャンマー人男性は、男尊女卑の考えがいまだに多く残っています。
例えば女性の服が干してあるところを男性や男児が通ると女性より格下という扱いになり、不運が訪れるといった言い伝えもあります。
厳しい家庭では洗濯を男女別にしたり、アイロンも男性用と女性用で分けたり、男性が女性よりも優位であるという考えが多く残っているそう。
女性より格下であるという事実を嫌うため、女性の上司よりも男性の上司を好みます。
また、女性みたいだといった表現も極端に嫌うため、気をつけた方がいい発言です。
ミャンマー人女性の特徴
ミャンマー人女性の特徴としては、優しい笑顔を振りまき大和撫子のように気遣いのできる感じのいい方が多い印象です。
出稼ぎに来てミャンマーにいる家族に仕送りをしたり、家族のために自分の夢より介護を優先したり、おっとりしていながらも強い女性という側面を持ち合わせています。
頑張り屋さんも多く、仕事に真摯に向き合います。
貞操観念が強いため、女性として軽視する発言やボディタッチを嫌います。
ミャンマー人から見た日本人
日本への憧れを強く持つミャンマー人は多く、日本人の名前を付ける人もいるそう。
アジアで一番の親日国であるとも言われています。
第二次世界大戦時の日本との関係性が関わっているようです。実際ミャンマーを訪れてみても、日本人は歓迎されます。性格的におっとりしていて日本人と気が合うということもあるようです。
日本人とミャンマー人の違い
親日家が多く、90%以上の人が仏教徒と日本人と価値観が似ているところが多いミャンマーですが、国民性では今の日本人と違うところも多いです。
時間にルーズな人が多い
友達との待ち合わせはもちろん、出勤時間に関しても5分、10分平気で遅刻してくる人が多いです。
これは暑い国特有なのか分かりませんが国民全体が時間をあまり気にせずゆっくりとしています。
舌打ちをよくする
ミャンマーの人はよく舌打ちをします。
その意味や状況は日本と同じような意味で使われ、イラッとしたときや「チェッ」と思った時にすることが多いです。
あとはびっくりするかもしれませんが、飲食店の店員さんも普通に舌打ちをするので、予めそういった国民性なんだと認識しておいたほうがいいかと思います。
あいさつの習慣がない
ミャンマーにはあいさつの言葉はありますが、あいさつをする習慣がありません。
言葉もかけなければ、会釈もしないことが多いです。
ミャンマー人が食べられないもの
ミャンマー人の食文化は多様ですが、宗教的信仰や文化的習慣により、いくつかの食べ物を避ける傾向があります。
まず、仏教徒が多数を占めるミャンマーでは、牛肉を食べない人が多くいます。牛は神聖な動物とされ、その肉を食べることは敬遠されます。
また、イスラム教徒のミャンマー人は豚肉や豚由来の製品を口にしません。これは宗教的な戒律によるものです。
さらに、一部の地域や民族では、特定の野菜や動物を食べることをタブーとしている場合がありますがこれらは地域の伝統や信仰に基づくものです。
ただし、これらの食習慣は個人や家庭によって異なる場合もあり、都市部では食の西洋化も進んでいます。
ミャンマー人の国際性
他民族国家であり、大きく分けて7つの民族が存在しています。民族により性格が違うようで、民族紛争のようなものが行われてきた歴史から、あの民族とこちらは違う、と敵対視している民族同士も存在しています。
イギリスの統治下であった歴史から、欧米諸国に対してあまりいいイメージを抱いていないミャンマー人も多いですが、その歴史のおかげで英語を話せるミャンマー人は多く国際的な一面もあります。日本語はミャンマー人にとって発音しづらいらしく、何年も日本で暮らしていても完璧な発音をするのはなかなか難しいと言います。
英語、日本語ともに話せることが重要という考え方で、話せても書くことが苦手というミャンマー人は多いです。先に述べた楽観性も関わっているかもしれません。
ミャンマー人にしてはいけないこと・タブー
1. 宗教観を否定しない
ミャンマー人は9割の人が仏教徒であり、朝晩とお祈りをする文化があります。お祈りの際は邪魔をしないよう注意しましょう。
日本よりも宗教観が強く、蚊でも殺さないといった教えがあります。その行いが来世の幸せにつながると信じていますので、軽んじるような発言は避けましょう。
2. 怒り方に気を付ける
ミャンマー人は日々の祈りによる自信なのか、プライドが高く承認欲求が強い傾向にあります。また、大きな声で怒られることを嫌います。しかし、言い返すということがあまり無く溜め込みやすいという性格の人も多いです。そのため人前で怒ったり、大きな声で怒ることでプライドを傷つけないようにしましょう。聞いているようでも反発心を持ってしまい、突然やめてしまうという事態に繋がりかねません。何かを指摘するときは、できるだけ穏やかに指導してあげるといいでしょう。
3. 自発性を求めない
穏やかで言ったことをよく聞くミャンマー人ですが、自分で考え能動的に行動するということが苦手な傾向があります。自発性に期待するよりも、しっかりと指導し動いてもらう方が生産的です。そんなこと自分で考えなさい、という指導はやめましょう。
4. 頭を触らない
子供であっても頭を撫でるというのは御法度で、触られることをとても嫌がります。
ミャンマーでは、身体の一番上に位置する頭は精霊が宿ると信じられています。ボディタッチ自体もあまり好みませんが、頭には特に触らないようにしましょう。家族であっても触るととても怒ります。
5. 仕事とプライベートを切り離さない
例え日本に働きにきただけであっても、雇い主をおじさん、おばさんと呼び親戚のように慕うことが多いミャンマー人。それだけに、ドライすぎる関係は冷たいと捉えられてしまいます。
近年の日本では飲みニケーションと言われるお酒の席や接待を嫌う傾向にあり、仕事とプライベートを分けることが多いですよね。しかしミャンマー人は逆にご飯を一緒に食べたり、家族の話を聞いてあげることで仕事も上手くいくことが多いです。それだけ人との繋がりが大事なのでしょう。
6. 民族について言及しない
ミャンマーの民族紛争は根深く、現在問題とされている政治にも関わっています。
互いの民族に嫌悪感を持っている人も多いため、民族については言及しないことがベター。
民族の話をするならば、地域の気候や郷土料理など地元話で進めると良いでしょう。